まかない料理

新聞についてくる冊子だったか、ポストに入っていた地域情報紙だったか、レストランのまかない料理を紹介するコーナーが載っていた。ある時それを読んでびっくりした。

そこには『牛タンのフライ』なるものが掲載されていたのだ。牛タンのフライがまかない料理なのか?
そもそも牛タンは何かを買ったらついてきてしまったという類の物ではないだろう。牛タンが必要でわざわざ買うのではないのか。それともその店は牛一頭購入し、筋肉と内臓は使うが舌だけは商品にできず残ってしまうとでもいうのか。


我が家のまかない料理といえばアジアンヌードル。これに尽きる。
アジアンヌードルとは、わたしがアジア各地の屋台などで食べてきたものがわたしの体内でごちゃ混ぜになり創作されたものである。だからどこの国でも食べたことがないにも拘わらず、やはりなんとなくアジアな香りがする。
定番の材料としては、にんじんピーマン玉葱厚切りの豚ばら肉鶏卵。これらを炒めた後、スープヌードルにする。


まず、にんにくを潰しプリッキーヌとともに中華鍋でじんわりと炒める。薄く色づき始めたところで取り出し、火力を強くし蟹玉風の卵焼きをつくる。この時あぶらは多めがいい。卵焼きができたらこれも取り出し、豚ばら野菜類と順に炒めていく。湯を入れにんにくとプリッキーヌを戻し塩みりんナンプラーで味を整え素麺ひと束入れどんぶりに盛ったあと卵焼きを載せてできあがり。酢やレモンなどで酸味を効かせるのもよい。
野菜は葉物でも根菜でもオーケイだし、麺も、うどん中華麺香港麺ビーフンなどなんでもよいが、ひとつの鍋でつくることを考えるとやはり素麺がベストか・・。

ある時、冷蔵庫に残っている食材はほんとうに限られていた。
トマト玉葱サラダ菜ベーコン卵かぶ油揚げいわし丸干しウニいかポテトサラダ。その中から最初に書いた5種の材料を選びいつもの要領でアジアンヌードルをつくり始めた。

新宿白龍風にトマトをスライスし仕上げの数分前に入れるのは以前にもつくったことはあったが、きょうはざく切りにし、初めから炒めてみた。湯を加え無添加の冷凍うどんを入れ、できあがる直前にサラダ菜ととき卵を入れた。チーズでも入れたくなるような美しい色合いに仕上がった。
味付けは塩とブラックペパーのみ。トマト玉葱ベーコンからくる洋風の香りとうどんの相性も悪くなかった。いや、悪くないどころか、秀逸の出来といってもいい。設計で喰っていけなくなったら屋台を開いてもいいと思ったほどだ。
全てを許容し受け入れ呑み込んでゆくアジアの真髄を見た気がした。

 

 

 

 

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