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モノトーンなリビング
streetをもつ家

杉並の閑静な住宅地に建つ奥行き15メートルの住宅です。

敷地は7m×17mの細長い形状。このカタチを生かすにはどんな家が良いのか?  何回も敷地に足を運び、出した答えが「街路」のような1本の道を家の内部につくり、その

街路の両側にいろいろな風景を作り出すというものでした。

ちょっと大袈裟ですね(^_^;)  

ではこう考えてください。

家の中に長い廊下があり、そこを歩いていると楽しくなれる。いろんな方向から光りが入ってきて 家の中だけどプライベートガーデンを歩いているような気持ちになれる。そんな家にしたいと考えました。

具体的には、囲われた建物の内部に3つの中庭を配し  それぞれ特徴づけるために、大きさや方位、仕上げ材料や部屋との関係(部屋からの見え方や, 外に出られる階を変えるなど)に変化を持たせました。

図は、クライアントに見せた第1案の最初のページに書いたモノです。

いわゆるコンセプトと呼ばれるモノで、こうゆう家にしよう、こうあって欲しいという、設計する際の意図や概念、テーマを表しています。

この家の場合には、道路から続く1本の道の両側に、さまざまな部屋や中庭がぶら下がり外形上はほとんど同じにもかかわらず、真上から切るとまったく違った断面が現れるさまを示しています。

単純な形態とシンプルな組み合わせながら、違った断面が次々流れてゆくのが、面白いのではないかと思い、提案しました。

ある来訪者が「オセロハウス」と名付けてくれましたが、真っ白い空間の所々に黒が点在します。しかし、初めから白と黒というコンセプトだったわけではなく、打合せを重ねるうちに現在の姿になってきました。

リビング中央の柱などは、現場で骨組みができ上がった状態を写真に撮り、パソコン上でそれに色付けしながら検討しました。

完成後数年の歳月が経っていますが現在もこの写真とほぼ同じ状態で使っていただいてます。

コンセプト図面
オセロハウス
中庭と階段
中庭に面したお風呂

上/内玄関。

左側に収納、正面は北の中庭。

「窓越しに自分の家が見えるのは気持ちのいいものなんだよ」とは吉村順三氏の言葉です。

 

下/浴室。

南の中庭に面し明るく開放的なイメージを狙いました。小さいながらトップライトも効果的にきいています。また、換気扇をトップライト近くの眼に付かない場所に設置し、視覚的な配慮もしてあります。

住宅街のなかで異彩な光を放つ墨色の外壁。しかし本当に特異なのは、道路から見える窓が1つしかないことかもしれません。

写真の、壁の高い方が南側低い方が北側ですが、ご覧の通り南側には窓がありません。

元々 100坪あった土地を3分割して売りに出された敷地なので、隣家までの距離に余裕がないだろうと思われたことと、建て主の方が防犯とプライバシーにこだわった結果です。

グレーの引戸はガレージの出入口です。玄関は左側の窪んだところから入り、内部でガレージとつながっています。

そこから再度、別の玄関扉のカギを開け、建物内部に入ることになります。

墨色の家
streetをもつ家
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